下町のボブスレー

先日、〈下町ボブスレー〉が長野で行われたジャマイカ代表の採用テストに合格し、平昌オリンピック出場を目指すことが決まったと報道がありました。

ボブスレーは氷上のF1と呼ばれる高速を競う競技です。
独特な形と機構を持つ専用のソリ（ボブスレー）に乗って、氷が張った斜面のコースを滑走してタイムを競う競技です。
最高速度は120km/hも出ると言われ、技術とともにソリの性能が大きく影響します。

日本ではメジャーなスポーツではないため、競技に対する支援体制が充分ではありません。
これまでは、既成品や中古のソリを改良したり、現地のレンタルソリでレースに出場したりトレーニングをしているのが現状でした。

日本のボブスレーに国産のソリを提供しようとして頑張っているのが、東京の大田区で町工場を経営者の皆さんです。
各工場の持っている特殊な技術を活かして最高のソリを作り上げようと努力しています。
２０１４年にＮＨＫ　ＢＳプレミアムで実話をドラマ風にして放映しましたので、ご存知の方も多いと思います。

ところが２０１５年に日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン協会から、下町ボブスレーは２０１８年平昌オリンピックでは不採用とされました。

私は、以前に下町ボブスレプロジェクトの代表の方の講演を聞く機会がありました。
損得ではなく、日本の下町の技術を結集した最高のソリを作り、オリンピックで走ってほしい、との気持ちが伝わり、それ以来は心の中で応援し続けていました。

昨年の不採用決定にがっかりしているのではないかと思っていましたが、「ジャマイカ代表の採用テストで合格」の報道に、思わずテレビに向かってオーと声をあげました。
あきらめずに進んできた下町の工場の皆さんに心からの拍手を贈ります。

お祝いの気持ちで、庭の雪の上に「下町ボブスレー１号機」の模型を飾ってみました。